パートナーの浮気・不倫の悩み、ひとりで抱え込んでいませんか?誰かに話をしたいけれど、友達や両親には相談しづらい……同じような悩みを抱えている人は少なくありません。
今回お話を伺ったのは、心理カウンセラー・メンタルトレーナーとして活躍をされている金子亜希子さん。日本ではまだ一般的ではないかもしれませんが、カウンセリングを受けることは、客観的に自分自身の状況を見つめ直すきっかけになります。
第1回は、パートナーの浮気や不倫が発覚した時に、自分の気持ちを整理し、次のステップに進むための方法を聞きました。
パートナーの浮気や不倫が発覚した時にすべきことは?
パートナーの浮気や不倫が発覚したら、動揺する人がほとんどかと思います。感情として、マイナスからのスタートになりますが、そういうときはどうすればいいでしょうか?
パニックになってはいけないと頭で分かってはいても、感情的には難しいですね。ただ、少し落ち着いて考えられるようになったら「この先自分はどうしたいのか」をまず考えてほしいです。それによってあなたが次に取るべき行動が変わってくるからです。離婚したいのか、復縁したいのか、自分の本当の声を聞くようにしましょう。
一番避けたいことは、感情のまま勢いで行動すること。パートナーに感情のままの言葉をぶつけてしまわないように、ぐっと堪えましょう。
感情がたかぶってしまったときに、意識した方がいいことはありますか?
まずは、深呼吸をしましょう。深呼吸をすると体の構造上、脳に酸素がめぐるので、冷静になれるんです。また、頭に血がのぼっていたり混乱していたりするときにパートナーの顔を見たら、感情を抑えられないこともあるので、深呼吸で気持ちを落ち着かせつつ、できればどこかに出かけるなど、その場から離れることも有効です。離れてみることで、相手がどうして浮気をしたのか原因が見えてくる場合もありますし、もしかしたら自分にも理由があったのかなと省みることもあります。
アスリートもよくやることなのですが、深く息を吸って、細く長く息を吐くと、意識を集中できて、感情をコントロールできるそうです。まずは「深呼吸」を意識してみるといいかもしれませんね。
確かに、怒っている時や落ち込んでいる時は呼吸が浅いですね。
そうなんです、みんな呼吸が浅くなっているんですよね。呼吸が浅いと一生懸命酸素を取り込もうとして、血液の循環が良くなって、余計にカッとしちゃったりするんです。緊張すると顔が赤くなって、手に汗をかきますよね。これは動物的な本能が残っているためらしいんです。そういう仕組みを知っていると、気持ちの持ちようも変わりますね。
無理して許す必要はない! 自分の心が楽な方を選んで。
「許す」という行為は本当に難しいと思います。離婚するにしても復縁するにしても、許すか、一生許さないか、どちらを選択したらいいのでしょうか?
許さないっていう言葉自体がすごくマイナス思考な言葉なので気になります。許す、許さないと考えているときは、許せる状態ではないのでは。人をずっと憎んでいくっていうのは辛いですから、受け入れられる時期が来るのであれば、受け入れていく、それがいつか自然と許せたに切り替わるイメージでしょうか。その方が心はむしばまれないですね。人を憎んで生きていくことは、マイナスの感情を心に持ち続けることなので、やっぱりおすすめはできません。
憎むことで人格も変わってしまいそうです。感覚的には、自分の心が楽な方を選んで、時期が来たら受け入れていくということですか?
無理して許さなきゃいけないんだって決めてしまうから苦しいんです。いっしょにいるためには、許さなきゃいけないと思えば思うほど、許せないことが目について、どんどん許せない気持ちになってしまい悪循環です。
最初から決めつけずに、許せそうになったときに許す、というように心に余裕をもって対応しましょう。例えば、その人のいいところをたくさん見てあげようとか、許せるポイントをたくさん見るようにすることで、だんだん許せる材料が増えていくかもしれないですね。
なるべく、ポジティブに変えていく方が心の負担は軽減されるのかなと思います。
そうですね、できればポジティブに生きていたいですね。
すべての決断は必ず自分で選択してほしい。
浮気や不倫というのは、たとえば旦那さんと浮気相手というふたりがいるわけですが、その相手に対する怒りは、妻として、どう解消したらいいのでしょうか?
不思議なことに、女性が浮気した場合、旦那さんの怒りは浮気相手の男性より奥さんに向くんです。しかし女性は浮気をされると、旦那さんよりも相手の女性に対する怒りの方が大きくなります。
浮気相手に対する怒りを収めるのは、簡単なことではありません。まずは、誰かと話をするなど、気を紛らわせることで冷静になれると思います。
もしくは、探偵や弁護士などの専門家に、浮気相手に対してこれだけ怒っているのよ、ということを聞いてもらうという方法もあるかと思います。
まさに、カタをつける感じですね。
そうですね。ただ、不倫や浮気を許すとか、相手への怒りを収めるとか、全てのことは、必ず自分で選択してもらいたいんです。最後の決断は、必ず自分で選択をしてほしい。
気持ちが弱っていると、友達や両親などの言葉に流されてしまうこともあります。自分でその選択をしたのか、人に言われたからそうしたのかによって、のちのちの後悔の度合いが違います。人に言われたままに決めてしまった場合、あの時あの人があんなことを言わなければこうならなかった、と後悔が恨みにつながることがあります。自分できっぱりと選択できないのであれば、そのときは決めるべきタイミングではないのかもしれません。決められないからモヤモヤしているのであって、モヤモヤが晴れるタイミングが答えが出る時なんです。誰かの意見を丸のみしてそのまま選択することは避けたいですね。
ひとりで悩まず、人に話を聞いてもらうことで解消を。
それでは、浮気を乗り越えるためにはどうしたらいいのでしょうか? また浮気をするんじゃないかと疑ってしまう場合、その思いをどう解消したらいいのかコツはありますか?
夫婦で浮気を乗り越えるためには、お互いに冷静に話をしていくということしかないと思っています。話し合いによって腑に落ちるかどうかで、その後の気持ちも変わってきます。きちんと話し合いができていなければ、ずっと疑いが晴れないというか、信頼関係を築けないと思うんですよね。
旦那さんを疑ってしまう場合、それにはきっと原因があると思います。その原因が何なのかを考える必要がありますね。旦那さんがもう浮気をしないと言った言葉を信じられない理由がきっとあるはずです。
それは、旦那さんとの関わり方なのかもしれないし、自分の中のトラウマかもしれません。両親に離婚経験があって、父親がいつも浮気を繰り返しているのを見ていたとか、そういうトラウマの人も中にはいます。
原因が分からない、何かモヤモヤするときは気軽にカウンセリングを受けてみてください。
もし原因がトラウマなのであれば、時間がかかったとしても、カウンセリングを受けていくことで改善されることも少なくないと思います。
カウンセリングを受けた方が早く解決できそうですね。
私もそう思います。ひとりでモヤモヤしているより、人に話をすることできっと整理されていくので、信頼できる方に話をして、どうしてこう言うふうに思ってしまうんだろう、というところを聞いてもらうのがいいのかなと思います。
自分だけだと疑う気持ちから離れることがなかなかできません。そこは人の力を借りながら、切り替えていくチャンスと捉えましょう。そのうちに、「旦那さんなんて別にどうでもいいか」って思うかもしれません。奥さんがどんどん輝いて、急に追いかけてくるかもしれないですしね(笑)。
まとめ
心理カウンセラー、メンタルトレーナー 金子亜希子
全国心理業連合会が公認する全国統一認定資格「プロフェッショナル心理カウンセラー」を取得。心理カウンセラー・メンタルトレーナーとして、子供からスポーツ選手、医療業界など200人以上の実績を持つ。活躍領域が違う2つ の資格を活かし、より幅広い方々の心に寄り添っていくサポートを行っている。