スマホから、いつでもどこでも相手を探せるため、婚活アプリや結婚相談所に登録する人が増加。
その一方で、婚活に一生懸命になればなるほど、傷つき、疲れている女性も多いようです。
婚活の詐欺被害は、そんな女性の心の隙間を狙ってやってきます。
今回は、婚活の落とし穴と、婚活詐欺のエピソードをお話します。
「行き遅れ」感からの焦り。婚活すればするほど陥る負のループ
婚活しているアラサー女性が多少なりとも感じているのが、焦り。
20代は仕事に熱中し会社にも評価されて、なんとなく結婚は後回し。声をかけてくる男性も多かったため、まだ大丈夫だと思っていたという女性も多くいます。
そうしている間に数年が経ち、学生時代の同級生や、会社の同僚も次々と結婚・出産し、気がつけば独身は自分だけになっていた、というのはよく聞く話です。
そして、焦って婚活サイトに登録、マッチングする相手を探す日々がはじまります。
ここで1つ目の落とし穴。
「あなたにマッチングする人は240です!」と表示されると、こんなにいるなら大丈夫だろうという気持ちが芽生えてしまいます。より条件が良い相手を探すことばかりに気が取られていくことに。
好条件の人でも実際に会ってみないとわかりませんし、通常の恋愛でも「最初は嫌いだった」なんてこともあります。
登録されている情報は「その人の人間性の一部でしか無い」と思っておくべきです。
少しでも良いと思ったら会ってみる方が、チャンスが広がります。
そして、いよいよマッチングした相手とお見合いすることになります。
ここで2つ目の落とし穴。
お互いに「結婚」を前提として相手を見ているので、おのずと厳しい目になってしまいます。
この人と共に生活し、一緒に家族を築いていけるのかどうか。出会った直後から、そんなことばかりを考えてしまいます。
だからこそ気になる、些細な「言動」や「癖」。
「30代後半にもなると、相手のことが一瞬で分かる」という方もいますが、
自分が相手に一瞬で判断されてしまったらどうなのでしょう。
「私の良さなんて、一瞬でわかるはずがない!」そう反論したくなりませんか?
アレ?と思っても、自分で解決しようとする行動が裏目に
婚活をしていると、早い方だと半年程度で結婚に至るケースがあるそうです。
そんな中、数年以上婚活している人も少なくありません。
婚活に疲れ、自信をなくしている頃、好条件の方とマッチングしたら、あなただったらどう思いますか?
これが最後のチャンスとばかりに、真剣になり、のめり込んでしまうかも。
婚活するKさん・37歳もそうでした。
婚活に疲れた頃、婚活サイトで出会ったのがTさんでした。
Tさんは30代前半の外科医。激務の職場に勤務しているため、やり取りはいつもメール。
「いつも忙しくて、ごめん。Kに会いたい。」
Tさんはいつもそう言ってくれたそうです。
久しぶりに味わったキュンとする思い。Kさんは、彼と絶対に結婚したいと感じました。
しかし、出会ってから半年経っても忙しい彼とは会えず。どうしても会いたいと伝えると、彼からはこんな返答が。
「実は、独立して開業しようと思う。心配かけると思って言わなかった。独立して軌道にのったら結婚しようと思っていた。」
「でも、独立するには500万円足りなくて、、」
彼から「結婚」の話をされたKさんは舞い上がり、彼の独立を応援しなければという思いになってしまいました。
Kさんはすぐに、指定された口座に100万円を振り込みました。
そして、残り400万円は会って手渡したい、と伝えました。
手渡したいことを伝えると、彼は少し驚いたようでしたが、ありがとうと言ってくれました。
やっと会える!と嬉しい気持ちで待ち合わせ場所に行くと、ほどなくして彼がやってきました。
想像とは少し違っていたけど、それよりも会えた気持ちが嬉しい。
一方、彼であるTさんは、意外にも素っ気なく急いでいるようでした。
「これから大事なオペ(手術)があるんだ。」
そう言って、彼は400万円を受け取って足早に去っていってしまいました。
こうした彼の態度に違和感を感じたKさんは、勤務先と聞いていた病院に電話してみると
「そんな医師はいない」と言われてしまいました。
信じられないKさんは、サイトから彼に連絡。
すると、彼は人が変わったように激怒し
「独立するために穏便に話を進めていたのに、どうしてくれるのか?」
とKさんを責め立てたそうです。
そして、数時間後には彼と連絡が取れなくなってしまいました。
どうやらTさんは、婚活サイトから退会してしまったようでした。
Kさんは、パニックになってしまい、彼を失ってしまったことに絶望してしまいました。
もっと早く、誰かに相談していたら、、
Kさんの話、客観的に聞いていると、はじめからあやしいにおいがプンプンします。
でもKさんはずっと詐欺だとは気が付きませんでした。
とにかく彼を探し出したかったKさんは、探偵に相談。
「人探し」として依頼しようと電話し、相談員に詳細を話しました。
詳細を聞き終わった相談員から「それは、詐欺です。」と言われるまで、Kさんは自分が詐欺被害にあっていることに気が付きませんでした。
ただ普通に結婚したい、という思いで婚活をしていただけなに、どうしてこんなことに。
Kさんは、自分が婚活していること、またそこで外科医と出会ったことも、誰にもヒミツにしていたそうです。
長く婚活していることが恥ずかしかったし、結婚してから周囲に自慢したいと思っていたようです。
そのことが、今回の状況ではよくありませんでした。
もう少し早い段階で誰かに相談していれば、様子がおかしいことに気がつけたかもしれません。
少しでもひっかかったあの時に、「結婚前調査」というものを知っていたら…とKさんは言います。
結婚する前に相手のことをもっとよく知っておきたい、という方たちのために探偵が婚約者を調査するのが、結婚前調査。
しかし、Kさんの場合、勤務先も嘘、唯一の連絡手段だった婚活サイトから彼が退会してしまった状況で、探偵ができることは何もありませんでした。
Kさんは、彼の連絡先さえも知らなかったのです。
Kさんには、警察に相談するようにアドバイスするしかありませんでした。
まとめ
相手にのめり込んでしまうほど、正しい判断ができなくなってしまうもの。
結婚という大事なイベントに向かって行動している時こそ、冷静に、そして誰かに相談することが大切です。