心理カウンセラーに聞いた!第4回【番外編】 五郎丸歩選手の“五郎丸ポーズ“にも意味があった! アスリートから私たちが学べること。
第1回から3回まで、浮気、不倫などにまつわる悩みについて、心理カウンセラー、メンタルトレーナーの金子亜希子さんに、解決への近道を教えていただきました。
番外編の今回は、金子さんが心理カウンセラー、メンタルトレーナーになったきっかけ、カウンセリングの方法から、2015年に話題になった五郎丸歩選手のあのポーズまで、幅広くお話を伺いました。アスリートの行動から、私たちも学ぶことがたくさんありそうです。
これまでの記事はこちら
【気持ちの整理編】 【自身のメンタルケア編】 【子供のメンタルケア編】
アスリートが実践しているメンタルトレーニング、応用できる?
ラグビー日本代表の五郎丸歩選手のポーズにはどんな意味があると思いますか?
気持ちを切り替えるため「スイッチの役割」があると思います。私がアスリートに教えているのは、気持ちの切り替えのスイッチを見つけたほうがいいということです。例えば、マイナスな状況になった時、何のきっかけもなくマイナスをプラスに持っていくことって難しいんです。しかし、そういう時にこそ、審判の顔を見たら頭のスイッチを切り替えるとか、自分の力でフラットに持っていく訓練をするんです。
それを何回も何回も練習して、感覚をつかんでもらうようにします。そうすると試合中でも自分の力で、ふと腑に落ちて感覚が元に戻せたり、イライラとしないで済むんですよね。
ルーティーンと言われている五郎丸選手のポーズは、自分の中で集中力を高めるためにやっているのでしょう。集中したい時に、自分の中のスタイルとして、ポーズのようなものを決めたほうがいいという話を私もアスリートにはしますね。
興味深いです。アスリートではない私たちにも何か応用できることはありますか?
企業内のメンタルトレーニングでもそういうことを話したりします。例えば、プレゼンの前ってドキドキしますよね。いつもの会議室なのに、知らない場所みたいな空気になったり。そういう時は、ちょっと早めにその場所に入って、できればそこに寝そべってみたり、全体を見渡してもらいたいんです。そうすることで、会議室を征服したような気持ちになれます。会議室の緊張感を、寝そべってみることで、自分が既にこの空間を体感しているような気持ちになって、不思議と気分が落ち着つきます。これはアスリートにも勧めている方法です。
心理カウンセリングとメンタルトレーニングの違いとは?
心理カウンセラーとメンタルトレーナーの違いはどこにありますか?
人は誰でも多少の心の浮き沈みがあるのものです。フラットな心理状態がゼロだとすると、相手の心をゼロから100に近づけるのがメンタルトレーニングです。一方で、ゼロに満たないような心理状態の人には、心理カウンセラーとしてかかわります。カウンセリングによって、いっしょにゼロに持ってきましょうという感じですね。
相談者によって柔軟な対応ができますね。
人は誰でもマイナス思考やプラス思考の波があります。心理カウンセラーとメンタルトレーナー、どちらの資格も持っていたほうが、人とかかわるためにはいいと思っています。それに、マイナスの状態からゼロになったから終わりではなく、ひとりの方となるべく長期でかかわっていたいという想いがあります。
心理カウンセリングに行ったことがない人にとっては、最初はハードルが高いと思います。カウンセリングについて詳しく教えてください。
そうですね。まず、心理カウンセラーとして、どのようなかかわり方をするかというと、積極的に相手のお話を聞きます。カウンセリングの技法を使いながら、会話によって本人自身の気づきを促すというイメージです。
基本的に心理カウンセラーは、アドバイスや指示などは一切しません。その人自身でしっかりと生きていけるように、自分自身の考えに気づいてもらえるように、いっしょに話を進めていきます。
もしその人にパートナーの浮気や不倫の悩みがあった時、心の整理ができていないが故に混乱してしまうことがあると思うんです。そういった状況の整理をいっしょに行って、気づきを促していきます。
話をすることって大切ですね。
そうですね。もうひとつは、いっしょに話をすることで、重荷から解放されることもあります。SNSなどで意思疎通する今の世の中で、どう伝えていいかわからなくて、自分が思っていたことを隠してしまう人もたくさんいます。心理カウンセラーは、話を引き出して聴くことが得意なので、思っていたことを言えただけですっきりすることもあります。
最初に来られる方は、カウンセラーに何か言われるんじゃないかと思われるようですが、その点は安心していただいて大丈夫です。
それでは、メンタルトレーニングは具体的にはどのようなことをするのですか?
メンタルトレーニングでは、アスリートとかかわることが多いですね。大会や試合などの目標地点を決めて、そこに行くまでの一つ一つの大会や試合をどのような気持ちで臨むのか、心構えから練習方法まで、全てをいっしょに考えていきます。練習では表情や感情の出し方の癖を見ます。「自分自身を強く信じられない」「強い相手に勝つイメージを持てない」といった、悪い結果につながるマイナスな感情を大切な場面で持たないように、メンタルのトレーニングで鍛えます。
練習、試合後など常にその場で話し合いをしながら、感情の確認をします。競技自体のプロではなくても、メンタルトレーナーとしてアドバイスをすることで、アスリートが自分自身では気づかなかったメンタルの弱点が見えてきます。そうやって話し合いを重ねながら、全てをいっしょに決めて目標達成へ向かいます。
まとめ
インタビュー中も優しい笑顔で話を聞いてくれる金子さん。金子さんとお話ししていると、インタビュアーでも心が落ち着くのを感じます。日々の悩みは、人それぞれ誰にでもあるもの。とは言え、心が折れてしまいそうな悩みはひとりで抱え込まず、客観的な立場で、冷静に解決へと導いてくれる、心理カウンセラーに話をするのが一番です。
心理カウンセラーは、私たちが思っていた以上に、気軽で身近な存在。どんな悩みも、早めの対処と解決がカギです。ひとりで深く考え込まず、一度心理カウンセラーに相談してみてはいかがでしょうか。
~心理カウンセラーに聞いた!シリーズ~
第1回【気持ちの整理編】
第2回【自身のメンタルケア編】
第3回【子供のメンタルケア編】
心理カウンセラー、メンタルトレーナー 金子亜希子
全国心理業連合会が公認する全国統一認定資格「プロフェッショナル心理カウンセラー」を取得。心理カウンセラー・メンタルトレーナーとして、子供からスポーツ選手、医療業界など200人以上の実績を持つ。活躍領域が違う2つ の資格を活かし、より幅広い方々の心に寄り添っていくサポートを行っている。
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