心理カウンセラーに聞いた!第2回【自身のメンタルケア編】 ネガティブな感情をポジティブに変えていく、離婚後のメンタルケアとは?

「ネガティブな感情を持ってしまった時は、人に話すのが一番」、前回にそう教えてくれたのは、心理カウンセラー・メンタルトレーナーとして活躍をされている金子亜希子さん。心理カウンセラーは、話を聞くだけでなく、第三者として状況を判断して、ポジティブな気持ちに導いてくれます。
第2回目の今回は、夫婦円満の秘訣と離婚後のメンタルケアについて伺いました。ぜひ参考にしてみてください。

夫婦円満に過ごすには、話し合いが必要!

夫婦が円満に過ごすにはどうしたらいいのでしょうか? あまりに本音を言い過ぎるのもどうかなと思うのですが……。

まず、お互いが無理をしないことが非常に大切です。夫婦と言えど、もともとは他人同士。何でも飲み込めるのはきっと最初の2、3年ぐらいで、あとはお互いにいろいろな不満が出てくるでしょう。そういった感情を我慢し続けていると、最終的には爆発してしまいます。また、違いを受け入れられる愛情や思いやりをお互いが同じぐらい持つというのがポイントです。

気をつけたいのは、コミュニケーション不全。蓄積した不満が後からたくさん出てくるというのは、よくある話です。たいていの人は、初めからお互いの思いを伝えておけば、こうならなかったということはわかっているんです。関係がこじれてしまう前に、些細なことでも十分に話し合いをすることが本当に大切だと思います。

ただ、「うちの旦那さんはあまり話を聞いてくれない」という状況もあります。話を聞いてくれない旦那さんであれば、その人が聞いてくれるような言葉選びも重要です。例えば、自分のことばかり主張されたり、聞く体制が取れていないうちから感情的に話されたり、文句のようなトーンで話されたら、誰でも耳を閉ざしたくなってしまうので、気をつけたいですね。

夫婦にとって、一番のストレスは話を聞いてくれないということだと思うんです。なるべく相手が聞きたくなるような言葉をチョイスして、お互いの価値観をすり合わせることが、長く円満に過ごしていける秘訣でしょう。

十分な話し合いができないまま、関係がこじれてしまった場合はどうしたらいいですか?

どんなタイミングでも、お互いが話し合おうという気持ちになれば、本当は話し合いができるんです。これではまずいと思って、旦那さんの方から心理カウンセリングに来る方もいらっしゃいます。心理カウンセリングを受ける場合は、夫婦別々に何回かカウンセリングをして、最終的に3人で話すようにしています。
今まで価値観のすり合わせができていなかった夫婦でも「本当は夫婦で仲良く過ごしたい」と、お互いに求めていることが同じ、という場合はよくあります。しかし、同じ気持ちであっても、凝り固まってしまった関係の中で夫婦仲を改善することが難しい場合があります。そうした時に第三者が間に入ることで、こじれていた関係を変えるきっかけができて、うまくまとまることは多いんですよ。今まで話し合いができていないからといって、放っておくのではなく、その気になればいつのタイミングでも間に合います。

例えば、会話すらしないほど夫婦の関係が冷めていても、改善の見込みはあるのでしょうか?

はい、あります。しかし、原因がわからない限り、元に戻すことはなかなか難しいので、まずは原因を突き詰めることが必要ですね。
結婚記念日を忘れられた、体調不良を労わってくれなかったなど、夫婦で積み重ねた日々のどこかに、嫌だと思うきっかけとなった出来事があるかもしれません。原因を掘り下げてみると、ただの誤解だったという可能性もあります。

離婚で悩んだ時は、信頼できる人を頼って。

優しく話を聞いてくる金子さんは心強い味方

最終的に離婚を決断した時、メンタルケアはどうすべきでしょうか?

納得した上なのか、納得できないままの離婚なのかによって、気持ちは大きく違います。納得の上での離婚であれば、自分自身のことを前向きに考えていけばいいと思います。
逆に納得できないにもかかわらず離婚せざるを得なかった場合は、感情のコントロールができていない人が多いので、そういう時は誰かを頼りましょう。友人や両親、または心理カウンセラーに、不安な気持ちをちゃんと吐き出してほしいと思います。
子供を引き取ったり、これから自分の力で生活ができるかどうか、大きな不安を抱えている状況で、ひとりでポジティブな気持ちを持ち続けることは誰にとっても難しいことです。

不安定な心理状態にいると心の整理が難しそうです。

周りの力を借りながら、焦らずにいっしょに感情の整理をしてもらいながら、納得できる材料を増やしていくのがいいと思います。減点方式ではなく加点方式で自分のことを守ってあげるように心がけるといいですね。

親にすら迷惑をかけたくないからと言ってひとりで悩んで、本当にどん底の状態で私のところにくるようなケースも多いんです。そういう人には、そんなに自分を追い詰めずに、もっともっと人を頼って生きてもいいんだということを伝えたいです。家族や親せき・友人には話しづらいようなら、プロを頼ってみるのがいいかもしれません。あなたの素直な気持ちを、安心して話せそうな人は誰か、自身の心に問いかけながら相談者を決めましょう。

どう頑張ったらポジティブになれますか?

ネガティブな感情をポジティブに変えるには、減点方式ではなく加点方式の考え方がおすすめです。具体的にはマイナスな表現を使わずに前向きな表現になるように言い替えていくことで、不思議とポジティブになれます。
例えば、「私って引きこもりなの」っていうのを「インドア派なの」って言い換えたり、「上司に理不尽なことを言われたのに言い返せなかった」っていうのを「私って我慢強いのね」とか。その切り替えが自分の中でできるようになったらいいですね。

ポジティブな言葉は大事ですね。

そうですね。言葉自体がポジティブっていうことは大事ですね。考え方をポジティブにするのは私でも難しいんですよ。気をつけられるとしたら、言葉自体をマイナスなものからポジティブなものに変えていくようにすると気持ちも変わります。「あの人のここが嫌い」というように、人に対しても減点方式で見ていくのではなく、加点方式でいいところを見ていくように訓練していくと、自分にもそれができるようになりますよ。

また、日本人は人の手を借りるのが苦手で、人の手を煩わせるというように捉えてしまう人もいます。全然そんなことはなくて、状況がよくなれば相談された相手もうれしいはずなんです。カウンセラーの中には、同じ痛みを持っている人が多くいるので、カウンセリングを受けることで前向きになれるのかなと思います。

まとめ

心理カウンセラー、メンタルトレーナー 金子亜希子

全国心理業連合会が公認する全国統一認定資格「プロフェッショナル心理カウンセラー」を取得。心理カウンセラー・メンタルトレーナーとして、子供からスポーツ選手、医療業界など200人以上の実績を持つ。活躍領域が違う2つ の資格を活かし、より幅広い方々の心に寄り添っていくサポートを行っている。

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